ちゅうどうじろくさいねんぶつおどり
中堂寺六斎念仏踊りとは
約千百年前、京洛に多くの人が死んだ疫病がまん延した。人々が不安をぬぐおうと、空也上人が托鉢用の鉢と瓢箪を打ち鳴らし洛中の街角で「南無阿弥陀仏」を唱えたのが六斎念仏踊りの起源とされています。
仏教では、毎月八日・十四日・十五日・二十三日・二十九日・三十日の六日を「六斎日」とし、悪鬼などが人々に災いを及ぼすとされます。
この日に、太鼓などを打って念仏を唱えることから、「六斎」の名が生まれました。
お盆の供養と相まって発展していきますが、「中堂寺六斎念仏踊り」では徐々に宗教的な色合いを薄めていき、江戸時代に長唄・地唄・太鼓の曲打ち・獅子舞いなどの導入で大衆芸能化が進められて今のかたちになっていきます。
昭和58年に重要無形民俗文化財に指定。六斎連合会も組織してお盆を中心に幅広く活動されています。
演目
「四つ太鼓」
腰の構え、ぶち捌きなど六斎の基本形となります。
一本ぶち:文字通り太鼓台に置かれた四個の太鼓を片方の手だけで叩きます。
二本ぶち:両方の手を使うことにより、スピードとテクニックの向上が図れます。中堅以上の力量者からはよりテンポアップします。
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「獅子太鼓」
獅子舞いを呼び出す序曲。前半部は二人一組の表と裏打ちが対角線上に激しく動く。
後半部はテンポアップし表と裏の掛け合いと乱れ打ち。
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「獅子と土蜘蛛」
獅子は正義の象徴。随所にアクロバティックな演技を加えながら、五段重ねの碁盤上での逆立ちで前半のクライマックスへ。
邪悪な土蜘蛛が登場し獅子に糸を吐くなど攻勢をかけるが、やがて獅子は生気を取り戻しエンディングへ。
全編ダイナミックな演目です。
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当日の様子(Youtubeへリンク)
2022年12月4日(日)関西伝統文化フェアin滋賀
きょうとちゅうどうじろくさい
「京都中堂寺六斎会」について
本来、農村社会に根ざした素朴な太鼓踊だったものに、太鼓の曲打ち・獅子舞などが取り入れられ、現在ではお盆に行われることが多い「中堂寺六斎念仏踊り」となり、盛んに活動されるものとなります。
一方、地域社会の変化に伴う後継者難へは、子どもや女性の演目も加え活躍できる人を増やすことで、次の世代へ伝えていく活動を続けています。
京都中堂寺六斎会などが伝承する京都の六斎念仏は、2022年にユネスコ無形文化遺産『風流踊』の一つとして登録が適当であると勧告を受けています。
京都中堂寺六斎会公式Webサイト